ご挨拶

今日、世界第 4 位の消費国となった日本では、サードウェーブの流行やコンビニコーヒーの大ヒットに加えて、家飲みコーヒー増加など、社会や生活の様々なシーンに変化が見てとれます。この様な変革の時に学会長という大役を仰せつかりました。もとより非力ではありますが、コーヒーへの愛着心と探求心は人一倍と自負しております。与えられた任務を無事果たすべく、全力を尽くす所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
本学会の会則第 3 条に、「コーヒー愛好者参集の下に、コーヒーを学術的に探求し、総合的かつ、体系的にとりまとめ、研究成果を公表し、コーヒー文化の発展に寄与することを目的とする」とあります。コーヒーがこれほど市民権を得てブ~ムになっている中で、本学会では世界のコーヒー史と日本の喫茶文化を見据えて、これを深く広く伝えるべきコーヒー文化と位置づけ、発信してゆくことが大事と考えている次第です。
この学会は多様な分野から、コーヒーを愛好する人が集い、それぞれの視点からコーヒーを取り上げています。味わう立場から感覚的に、生産する立場から社会的、経済的、歴史的に、実際にコーヒーを淹れる人々によって、美味しい、健康に良いコーヒー豆の技術的、科学的アプローチ、等々を推し進めて行く学際的な会であろうと思っています。
このことは、私が金沢大学で単位が取れる講座として行ってきた「コーヒー学」のアプローチと相通じるものです。即ち、いろいろな分野の方々にコーヒーをテーマとして講義していただいたのです。私はこの講義を「全国大学連合セミナー」として発展させ、受講した方々の心に火をつけようと努力してきました。この思いを、さらにこの学会を通じて多くの方々の心に、新たなるコーヒー文化の始動という火をつけたいと願っています。
本学会の会員には、コーヒーを商いとする方、研究する方、そしてコーヒーに興味をお持ちの方など、コーヒーの愛飲家・愛好家が会員になっております。そこに新たなる会員を加えて、温故知新の気持ちで、さらに幅広く発動していきたいと考えております。
どうぞ皆様、コーヒーのことをもっと知りたい方、コーヒーを飲みながらもっと語り合いたい方、お一人でも、グループでも、声を掛けてご入会いただくことを願っております。
- 日本コーヒー文化学会会長
- 金沢大学名誉教授・工学博士
- 廣瀬幸雄Yukio Hirose